Yuri Suyama

1-43-12
Tomigaya, Shibuya-ku
Tokyo 151-0063, Japan
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雨がザッと降って、風が吹いて、夏を連れ去った夜に、
ビールを飲みながら、窓を開け放って聴いた。
どんな音が鳴っていたのか、今はもう覚えていない。
ただ、短い音の断片が、"元の場所"に戻れず、"ここ"に取り残されている。
それだけで、"ここ"は"さっき"と随分と違う世界になったようだ。
また明日、あるいは窓を閉め切った冬の寒い日にも聴いてみよう。
その時にも、何も記憶を作らず、また別の断片を残していくだろうか。
おそらく、そうやって、"物語"は長い時間を読み継がれてきたのだ。


(CD『apart my surround』に寄せて)